塗り薬の治験に参加した経験談(アトピー持ち)

経験談がネット上に少ないと思い。

月1回通院で1年間なので、サラリーマンでも参加しやすかった。

アトピーには今までいろいろ苦労させられてきたので、そのアトピーが金になるならなかなかのもの。

無事1年ほど完走したときの体験談を。

治験に至るまで

どこで見つけたか/条件

治験の案内は医学ボランティア会JCVNのメールから。

そもそも治験の案件をどこで知るかというと、ここでアカウント登録して治験案件のメールを知るのが一般かと思う。

月に15件くらい案内メールがくる。

とある日、アトピー患者に対し月1回の通院型治験案件の情報が手に入った。

毎日塗り薬を塗り、定期的に病院で診察があるタイプのものだった。

同じような案件は年数回くらいあるが、通院先の病院が近所だったため応募。

塗り薬型の治験で、中程度の症状のアトピー性皮膚炎であることが条件。またその他大きな病気を患っていたり、その関係で通院中、投薬中でないことも条件にあった。

だいたいの治験は健康体であることが条件にあり、アトピーで通院して薬も塗り続けている自分は対象から外れてしまうが、この塗り薬型治験ならようやく対象外にならなかった。

また、月1回の通院による検査は可能であることも条件にあった。最初の月は3回ほど通うことにもなっていた。

当方勤め人だが、午前休みをとればいけると踏んだ。

よって条件を満たせそうと思ったため応募。

治験者になるまで

まず応募だが、簡単なアンケート的なものを答えた。内容は上記にある条件を確認するようなものだった。その際に連絡先の電話番号を登録したりした。

アンケートを提出し1週間ほどで返信のメールと電話ががきた。厳選なる抽選がされているものと思っていたので、応募した時点で自分が当事者になるとは一切思っていなかったためびっくりした。

電話の内容は、通院先の病院の詳細と、まずは初回は治験を今後受けられるかどうかの審査がある、といった話だった。もちろん初回の診察日時の案内も。

その1ヶ月後くらいに、JCVNでなく治験コーディネーターの方から直接電話とメールがあり、正式に初回診察の案内があった。

初回の診察は身長体重測定や採血、検尿。肌の状態の問診など。治験を受けることができるかの最終確認、といった感じだった。

また、治験期間中に別の病気になったときや、薬を処方された場合は直ちに連絡するなど、治験の際の基本的な説明を受けた。

治験を受けられることができると判断されたため、これで無事治験者へ。

後述するがアンケート記入用のスマホを渡された。

そしてこの診察から協力費が発生するため、その振込先の口座情報を教えることとなった。

以降、通院のたびに1万円が支給されることになった。

治験の経験談

毎日やること、やってはいけないこと

治験期間、毎日やらないといけないといけないのは、治験薬の塗り薬を塗ること。

これは当たり前。

薬は1日2回、朝と晩に塗布。就寝何時間前とか、保湿剤を塗った数時間後は塗ってはいけないとかあったため、塗るタイミングが限られていて、これを守っていると相当規則正しい生活になった。

人によってはこれがきついかもしれない。

薬を塗る箇所は診察の中で決められている。箇所だけでなく量も。

治験薬はチューブだったが、1回あたり何cmと決められている。ラミネート加工された物差しにチューブを出してその長さの分を塗る的な。

あとは毎日のアンケート。

渡されたスマホで毎日、肌の状態とかを回答。1日1回。1分くらい。

総評として、アトピー患者にとって、塗り薬の治験によって生活が大きく変わったり制限されることはなかった。

アトピー患者にとって塗り薬は毎日塗るし(義務付けられたりはしないが)、アンケートはそれほど負担にならない。

一応だが、渡されたスマホはアンケートアプリしか開けないように機能制限がされていた。

毎月の診察内容

毎月1回、診察のために通院。

日程は病院の空いている日&治験コーディネーターの方が対応できる日ということで、休診日でない平日のどこかの時間で自分が都合の良いところを抑えることになる。

診察の最後に、次の通院日時を決める感じになる。

受付で保険証を出した後、検温と検尿を経て診察へ。

肌の状態を医者が見てよくなってるかどうかとかを確認したり、写真を撮ったり。

その後、医者と治験コーディネーターとの話し合いにより、この日から次の診察まで治験薬を塗る箇所と量が決まる。

その間に採血したり、回によっては心電図撮ったり。

一通り終わったあと、治験コーディネーターから次回の薬の塗布量を伝えられ、治験薬を授けられる。

その際に前回の治験薬を返す。治験薬は余る量渡されるが、渡された分を次の診察でそのまま全部返す。

また、日々のアンケートとは別で追加でアンケートがあったり、治験コーディネーターからも体調面での確認などがあったり。

最後は次回の診察日を決めて終了。

だいたい1回の診察で1時間ちょっとくらい。

よかったこと

よかったことといえば、冒頭書いた通りアトピーが金になる状況が実現できたこと。

今まで塗り薬代に払っていた分のお金が浮いたどころか、協力費ということでお金が振り込まれる。

結局年間で15~16万ほどの金額が振り込まれたが、そこにプラスで浮いた本来の塗り薬代があるので、年間20万ほどのプラスになっていたように思う。

あとは規則正しい生活になったこと。

治験前は正直塗り薬をサボってしまうこともあったが、さすがに治験の期間はサボれなかった。

仕事が過酷で眠い晩も、お酒をたくさん飲んで眠い晩も。

そして寝坊した朝も。こればかりはフレックス勤務で助かった。

治験薬の効き目は、これはものによる感じなので参考にしてはいけないが、自分にはめちゃめちゃ合っていた。

あと自分の場合は、効き目100%のものと50%の治験薬が、本人に伏せられて出されて、月ごとにシャッフルされている感じだった。

治験を始めるまで、効果測定のために本人に伏せられて0%の効き目のものを出されて、とかだと相当肌が荒れそうで恐れいていたが、少なくとも自分の場合はそういった事が起きなかった。

きつかったこと

何度も書いている通り規則正しい生活というのが、メリットでありながらもデメリットで、きついと感じる時があった。

いかなるときも1日2回を継続するのはきつかった。

本当に眠いときとか。夜勤のときはなかなか。

あと、毎月の診察で治験薬を塗る箇所と量を決められるけど、治験薬が効いて好調だと次回塗る箇所と量がかなり減ること。

対象でない箇所には他の塗り薬を塗ってはいけない(保湿は許される)ため、そこが少ないと不安になるし、実際に次の診察までには多少荒れて、塗る箇所がまた増えて、という感じに。

そういう意味では、初回の診察(治験の基準に達しているかの確認)から2回目の診察までの2,3週間ほどは、治験薬の効果測定のため一切の塗り薬が禁止になり、その期間はかなり肌が荒れてしまった。

今思えばその期間が治験期間で一番きつかった。

結局のところ

アトピー患者にとって塗り薬の治験はかなりよかった。

治験薬が全然合わなかったとかなら話が違っていたかもしれないが、一応荒れ過ぎたら中止、という選択肢もあったりする。

次回も同じような案件があれば、ぜひ参加したいと思うくらいには。

また、1ヶ月に一度の通院、という負担なら勤め人でも継続可能なくらいの負担で、それもよかった。

そもそも塗り薬案件自体はそんなになく、あったとしてもその病院が近所かというところが一番課題になるかと思うが、個人的にはおいしい案件だったと思う。

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